学校長より
 
 
2018年5月学校だより

 
長 田所 泰久  
 
 

「授業にて…」                            

5月…、この時期になると思い出すことがあります。それは、懸命に授業を創ろうともがいていた時代のことでした。中学校の理科教員として、取り組んでいたときのことです。

自分が担当した、中学1年生の授業でした。「気体の性質」を学習したときのことです。二酸化炭素は、石灰水を白くにごらせたり、水に溶けたとき酸性を示す、などの項目に加えて、「空気より密度が大きい(重い)」ことを学びました。一方で、水素の性質について、「空気より密度が小さい(軽い)」ことを学習します。ところで、「空気より軽い」ということを生徒は、どうとらえるのでしょうか。

これについて、じっくり聞いたところ、「水素は軽さが大きい」とか、「水素はマイナスの重さがある」などという解答になってしまいました。もちろん、理科の中では「マイナスの重さ」や「軽さ」というものはありません。

中学生くらいになると、対比させて考えることが多くなります。例えば、「N極とS極」、「酸性とアルカリ性」、「プラスの電気とマイナスの電気」、「熱いと冷たい」などです。これらの関係からか、「重さと軽さ」で考えているようです。

「困ったな」と思い、「マイナスの重さ」あるいは「軽さ」から脱却するためにどうしたらよいか考えました。確かに、水素(最近はヘリウム)の入った風船は浮きます。見た目から「軽さが大きい」と考えるのも仕方ないかなと思います。したがって、「水素」にも質量があることを測れればいい、とはなったのですが、果たして空気中で水素の質量を測れるかという問題が生じます。あれこれ考えて、実験を計画しました。

真空中(まわりに空気がなければ)では、水素の入った風船も、沈んでしまいます。そこで、真空状態の中で、水素の入った風船が沈む現象を見れば、「水素にも質量があるんだ!」となるはずです。ここから実験を成功させるために、機材の準備や、見え方の工夫など、かなり手間がかかりました。

十数回の試行錯誤を繰り返して、ようやく、実験が完成しました。授業で取り扱ったときには、生徒の「おーっ」という声が、何よりのご褒美でした。

私自身、まだまだ授業がうまくなりたいし、「よい授業」を創りたいと思っています。いろいろな授業を見せてもらって、工夫する喜びを感じたいと考えています。

教える側の熱意ある準備に、生徒は応えてくれます。教える側もがんばっています。教わる側も一生懸命に取り組みましょう。5月…、みなさんの、「やる気」にあふれた姿を楽しみにしています。



・グランドデザイン

・学校教育目標
「温かい学校 感動あふれる学校」

・目指す学校像
○時を守る ○場を清める ○礼を尽くす

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