学校長より
 
 
2019年学校だより  最終号

「終わりのあいさつ」 

校 長  田所 泰久  

「終わりのあいさつ」というものがあります。ある程度時間が経って再会したとき、「昨日はありがとうございました。」「この間はお世話になりました。助かりました。」というものです。お世話になった感謝の気持ちを、時間が経っても忘れていませんよ、しっかりと覚えていますよ、というメッセージにもつながるものです。中には、この間のことはこの間にお礼を言ったのだから、わざわざ言わなくてもよいという考え方をする人もいます。少しさみしい気がします。人と人のつながりの中で、感謝の気持ちを表すことが、笑顔を生み、あたたかさを育てる気がします。「終わりのあいさつ」、大切にしたいものです。      (平成30年度上中だより第1号より)

 

 教員2年目のときの話です。勤務していた中学校の体育館を改築するというので、文化祭ステージの部を、市民会館の大ホールをお借りして実施することになりました。生徒会担当教員であった私は、生徒本部役員や文化祭実行委員といっしょに原案をつくり、市民会館と、進行などの事前打ち合わせを繰り返し、当日にこぎつけたことを思い出します。
 打合せでは、「ドン前での進行でいいですか?」という問いに、わけもわからず目を白黒させたものでした。ちなみに、「ドン前」とは、緞帳(どんちょう)をおろした状態で、緞帳前のステージ上での司会進行でマイクを配置するというものでした。
  生徒会本部、英語スピーチ、合唱、英語部、演劇部、吹奏楽部などの発表が終わり、閉会式を経て、実行委員が集まりました。生徒代表がまとめ、私もひとこと添えてねぎらい、市民会館をあとにしました。市民会館から最寄り駅までの道で、彼らは自主的に、倒れた数十台の自転車を起こして歩いたということを、他の教員に後から聞きました。彼らの充足感が、このような行動をさせたのではないか、と思います。

  翌朝、前日までの大役にほっとしていた私に、ある先輩教員が声をかけてきました。
 「昨日まで、お疲れさん。ところで、終わりのあいさつはしたのかい?」

 最初は、意味がわかりませんでした。「昨日で終わり、実行委員をねぎらって終わりのはずだが…」 

  あわてて、その日は、進行に協力してくれた各委員会、道案内や受付などでバックアップしてくれた保護者の方々、進行するために、場所や時間を譲ってくれた部活動の面々、何も言わずに細かいところまでフォローしてくれた教職員に、あいさつ回りに走り回りました。
  あいさつを続けているうちに、だんだんと気付くようになりました。こんなにも陰で支えてくれた大勢の皆さんに、ひとり終わってひと息つき、有頂天になっていた自分が恥ずかしくなりました。終わりのあいさつ、それは、支えてくれたみなさんへの感謝の気持ちを伝えることだとわかりました。そして、終わりのあいさつの大切も教えていただいたような気がしました。
  今年度の学校だよりも、ついに最終号となりました。この1年間、保護者、地域の皆様には本校の教育活動にご理解とご協力を頂きまして本当にありがとうございました。終わりのあいさつに加えて、来年度もどうぞよろしくお願いいたします。




・グランドデザイン

・学校教育目標
「温かい学校 感動あふれる学校」

・目指す学校像
○時を守る ○場を清める ○礼を尽くす

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